これからのリファラル採用とは|友人紹介ではなく「接点」から考える採用戦略
2026.08.07
求人広告を出しても、なかなか応募が来ない。
人材紹介を利用すると採用コストがかかる。
ようやく採用できても、現場との認識が合わず、早期離職につながってしまう。
中小企業の採用では、こうした課題が連動しているといえるため、
これまでの考え方・方法のまま求人を出して人を待つだけでは、悪循環から抜け出しにくくなっています。
そこで、これからの中小企業の採用方法として考えたいのが、新時代のリファラル採用です。
リファラル採用と聞くと、「社員に友人や知人を紹介してもらう採用方法」を思い浮かべる方が多いかもしれません。
その視点で考えた場合、
もし社内から紹介が生まれていないとしたら、社員の心情はこんな感じでしょうか。
- 紹介できる人がいない
- 友人に声をかけるのは気が重い
- 採用されなかったら気まずい
- 知り合い同士で働くのは難しそう
そう感じてしまうのも無理はありません。
知人を会社へ紹介することには、人間関係への配慮や責任を伴うからです。
だからこそ、これからのリファラル採用は、社員紹介だけで考えるものではありません。
ユノモが提唱する「新時代のリファラル採用」は、単なるコネや縁故ではなく、
会社が持つさまざまな接点を見つめ直し、採用につながる関係を育てていく取り組みです。
社員個人の人脈に頼るのではなく、会社の仕組みとして進める。
その全体像を表すのが、「全体戦略 × チーム採用 × 継続」という考え方です。
これまでイメージしていたリファラル採用とは、少し違うかもしれません。
ここで一度、頭の中をリセットして考えてみてください。
これからのリファラル採用は
「人」ではなく「接点」を見る
求人広告や人材紹介は、採用の大切な手段です。
ただし、それだけに頼り続けると、採用コストが増えたり、会社側が応募を待つだけの状態になったりすることがあります。
そこで考えたいのが、会社がすでに持っている接点です。
もちろん、採用において一人ひとりを見ることが大切なのは変わりません。
ここでいう「接点を見る」とは、
友人紹介だけに限定せず、会社と人がつながる経路そのものを広く捉えるという意味です。
たとえば、これまでの会社の営みの中にある「接点」を振り返ってみてください。
- ハローワークの担当者
- 業界団体や地域のコミュニティ
- 学校や会社説明会
- 過去に応募してくれた人
- 以前働いていた社員
- 取引先や協力会社
- 一緒に仕事をしたことがある人
現在一緒に働いていなくても、会社の周囲には、これまでの営みの中で生まれたさまざまな「人」との接点があります。
直接、誰かを紹介してもらわなくても構いません。
まずは会社の仕事や考え方を知ってもらう。
必要としている人へ求人情報を届けてもらう。
困ったときに相談できる関係をつくる。
こうした積み重ねも、採用につながる接点になります。
つまり、リファラル採用とは、社員の人脈に頼るものではなく、
会社と社会の間にすでにある接点を見つけ、共有し、少しずつ採用の導線へ変えていくことです。
紹介されたから採用する、という仕組みではない
知り合いを通じた採用と聞くと、「コネ入社」や、本人も周囲も断りにくい縁故採用をイメージする方もいます。
しかし、リファラル採用における紹介は、決して採用を決めるものではありません。
あくまで、会社と候補者が出会うための入口です。
紹介された人を採用するかどうかは、会社が定めた基準に沿って、公平に判断する必要があります。
紹介者が採否を決める立場でも、不採用になった責任を負う立場でもありません。
だからこそ、紹介してくれた人の想いを軽く扱わず、
その一方で選考は公平に行い、候補者や受け入れる現場にも無理をさせない仕組みが必要です。
単なるコネや縁故ではなく、会社と候補者が出会う接点として活用する。
そして、採用するかどうかは、会社の公平な評価基準をもとに、会社が責任を持って判断する。
この線引きがあるからこそ、
リファラル採用を個人的な人間関係ではなく、会社の仕組みとして進めることができます。
※リファラル採用と縁故採用の違いについては、別の記事で詳しくご紹介します。
リファラル採用は
「全体戦略 × チーム採用 × 継続」で考える
従来の社員紹介では、誰に声をかけるか、どのように会社を説明するかが、紹介する社員個人に任されがちでした。
しかし、それでは紹介する社員の負担が大きく、取り組みも続きません。
これからのリファラル採用で大切なのは、
個人任せの採用から、会社の仕組みとして進める採用へ変えていくことです。
ユノモでは、リファラル採用を「全体戦略」「チーム採用」「継続」の3つを一体にして考えます。
全体戦略|一つひとつの施策をつなげる
求人票を直す。
求人媒体へ掲載する。
ハローワークへ相談する。
会社説明会へ参加する。
社員と採用情報を共有する。
どの活動も大切ですが、一つひとつはあくまでも採用活動の一部分にすぎません。
目の前の対応に追われていると、「求人票を直したのに応募が来ない」「広告を出したのに採用できない」「説明会に参加したのに反応がない」と、個別の結果だけを見てしまいます。
もちろん、忙しい業務を担いながらも、一つひとつの施策を実行している担当者や現場の努力は、決して小さなものではありません。
問題は、その努力が採用全体の中でどうつながっているのかを、会社の中で十分に議論・共有できていないことです。
どんな人を採用したいのか。
どこで接点をつくるのか。
何を伝えるのか。
応募後、どのように対応するのか。
入社後、誰がどのように受け入れるのか。
入口から入社後までを一つの流れとして考えることで、個々の施策が初めて採用戦略になります。
チーム採用|接点と採用情報を社内で共有する
採用担当者は応募数や面接数を見ています。
現場は人手不足や新人を教える負担を見ています。
経営者は採用費や今後の事業を見ています。
そして、入社する人は、自分が受け入れてもらえるかを見ています。
このように、採用に関わる人が見ているものは、立場によって大きく異なります。
それぞれが自分の目の前だけを見ていると、
「採用担当が人を入れてくれない」
「現場が採用に協力してくれない」
「忙しいから新人を教える余裕がない」
というような不満や諦めが増幅し、
最終的には、採用活動が一部の人だけの仕事となり、社内に他人事の空気が漂います。
そこで必要になるのが、
経営者、採用担当、管理職、現場が一緒に考えるチーム採用です。
これは、社員全員に採用業務を押しつけるという意味ではありません。
これからの会社にどんな人が必要なのか。
会社には、どのような人との接点があるのか。
その人へ自社の何を伝えるのか。
入社後、どのように育ってもらいたいのか。
こうしたことを、立場を越えて一緒に考えることが重要です。
また、会社が持っている接点や採用に関する情報をチームで共有することで、
「なぜこの人を採用したいのか」「入社後は誰が受け入れるのか」についても、社内で認識を合わせやすくなります。
チーム採用は、単に採用に関わる人数を増やすことではありません。
採用活動に対する社内の納得感を高め、入社後まで見据えて採用を進めるための仕組みです。
継続|一度の呼びかけで終わらせない
リファラル採用は、一度社員に説明しただけでは続きません。
採用状況を共有する。
うまくいったことを伝える。
できなかった理由を振り返る。
次に何をするかを決める。
こうした小さな継続が必要です。
一度に全員を動かそうとするのではなく、まずは採用に協力的なメンバーで取り組みを始めるのもよいでしょう。
活動を振り返り、うまくいった方法を他の部署にも共有する。
接点が増えたら、その関係を一度きりで終わらせず、継続して情報を届ける。
その繰り返しによって、採用を考える習慣と、会社の周囲にある関係が少しずつ育っていきます。
「誰か紹介できる人はいない?」では、
個人任せの採用になってしまう
リファラル採用を始めるとき、
いきなり「誰か紹介できる人はいない?」などと、社員に友人紹介を求めるのは得策ではありません。
会社がどんな人を求めているのか。
自社の何を伝えればよいのか。
紹介した後、会社がどのように対応するのか。
それらが分からないままでは、社員も安心して声をかけられません。
場合によっては、会社への不信感につながることもあります。
それだけ「知人を紹介する」ということは、社員にとって気を遣うことなのです。
社員の個人的な人間関係を使う前に、まずは会社が持っている接点を整理し、
会社として何を伝え、どのように対応するのかを決めておく必要があります。
そこでユノモがまずおすすめしているのが、
ハローワークや業界団体、学校、地域など、個人的な感情が比較的弱い接点から始めることです。
団体や組織との接点づくりを進め、社内でも採用方針が共有されてきたら、次に、退職者、過去の応募者や面接者、取引先、仕事上の知人など、過去に会社と関係があった人との接点を見直します。
そのうえで、会社への理解や信頼が積み重なった先に、友人や知人への紹介という選択肢が生まれます。
友人紹介は、リファラル採用の出発点ではありません。
会社として採用を考えられる状態が整った先にある、一つの選択肢です。
チームで採用を考えることは、
自分たちで会社の未来を考えること
チームで採用を考えると、自社について話す機会が増えます。
- なぜこの仕事が必要なのか
- この仕事の魅力は何か
- どんな人が活躍しているのか
- 何を大切に働いているのか
- 新しく入る人に何を伝えたいのか
- これからどんな会社にしていきたいのか
これらは、採用だけの問いではありません。
自分たちの仕事や会社を見直す問いでもあります。
目の前の作業に追われていると、会社全体について考える余裕は少なくなり、会社との距離が生まれがちです。
だからこそ、チーム採用をきっかけに、部署や立場を越えて話し合うことが大切です。
自分の仕事が会社の未来とどうつながっているのか。
これからどんな会社にしていきたいのか。
そのために、どんな人と一緒に働きたいのか。
こうしたことを社内で考え、共有する機会にもなります。
チーム採用には、応募を増やすための戦略を考えるだけでなく、働く人が自分たちの会社に目を向け、関わり方を見直すきっかけになるという価値もあります。
新時代のリファラル採用を、
会社の仕組みとして考えてみませんか
リファラル採用は、社員に友人を紹介してもらう制度だけではありません。
求人広告や人材紹介だけに頼るのではなく、会社が持つ接点を見直す。
採用を経営者や採用担当者だけに任せるのではなく、現場と一緒に考える。
そして、一度きりの施策ではなく、継続して改善していく。
その基本になるのが、採用全体を設計すること、チームで考えること、そして継続することです。
単なるコネや縁故ではなく、接点を共有し、会社の仕組みとして採用を進めること。
それが、ユノモが考える「新時代のリファラル採用」です。
求人を出して応募を待つだけではなく、自社から接点をつくる。
採用を一部の人へ任せるのではなく、会社の未来として考える。
これからのリファラル採用は、そこから始まります。
ユノモでは、会社が持つ接点の見つけ方や、採用チームのつくり方、継続するための進め方について、成功例や失敗例も交えながらお伝えしています。
社員紹介だけに頼らない採用の入口をつくりたい方、
求人広告や人材紹介への依存を見直したい方、
会社全体で採用に関わる仕組みをつくりたい方は、お気軽にご相談ください。
