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メンターは「誰でもいい」わけではない。適任者の考え方

みなさんの会社には、「メンター」と呼ばれる存在はいるでしょうか。

新人さんを受け入れるとき、「やっぱりメンターをつけたほうがいいんですか?」と相談されることがあります。

メンターがいる、ということは、困ったときに相談できる人がいるということ。
仕事のことだけでなく、職場に慣れるまでの不安を聞いてくれる人がいること。

それは、新人さんにとって大きな安心につながります。

ただ、メンターは「誰かをつければそれで大丈夫」というものではありません。

支援の現場でお話を聞いていると、
メンターを置いているつもりでも、新人さんが本音を話しにくい関係になっていることがあります。

たとえば、仕事を教えてくれる、相談に乗ってくれる人が、そのまま評価する人でもある場合。
新人さんにとっては、相談したいことがあっても、なかなか言い出しにくいことがあります。

評価する人には、言いにくいことがある

新人さんが入社してしばらく経つと、仕事にも職場にも少しずつ慣れていきます。
でも、その中で小さな不安や違和感が出てくることもあります。

「思っていたより仕事がきつい」
「正直、少しつまらないと感じている」
「誰に聞けばいいのか分からない」
「このまま続けられるか不安」

こうした気持ちは、本人の中では大きな悩みになっていても、職場ではなかなか言葉にしづらいもの。
特に、その相手が自分を評価する人だった場合、なおさらです。

「こんなことを言ったら、やる気がないと思われるかもしれない」
「評価に影響するかもしれない」
「まだ入ったばかりなのに、弱音を吐いていいのかな」

そう考えて、言わずに抱え込んでしまうことがあります。

新人さんにとって、本音を話せる相手は、仕事を教える人と同じとは限りません。
だからこそ、メンターを考えるときは、役職や経験年数だけでなく「この人になら話せそうか」という関係性も見ておきたいところです。

メンターは、仕事を教える人とは違う役割を持っている

メンターというと、仕事を教える人をイメージすることもあるかもしれません。

もちろん、業務の中で分からないことを聞ける人は必要です。
ただ、メンターの役割は、それだけではありません。

新人さんが職場に慣れていく中で、少し立ち止まって話せる相手になること。
仕事の進み具合だけでなく、困っていることや不安に感じていることを拾うこと。
必要があれば、現場や上司につなぐこと。

こうした役割も、メンターにはあります。

そのため、社内でしっかりしていて仕事ができる人、頼りになる人が、必ずしもメンターに適しているとは限りません。
新人さんとの距離感、話しかけやすさ、聞く姿勢、評価者との関係性なども大切になります。

一方で、人数が少ない会社さんでは、
「評価する人」と「教える人」と「相談を受ける人」を完全に分けるのが難しいこともあります。

その場合でも、誰がどの役割で関わるのかを整理しておくだけで、新人さんの感じ方は変わります。

「業務のことはこの人に聞く」
「気持ちの面で困ったらこの人に話せる」
「判断が必要なことはこの人につなぐ」

このように役割が見えていると、新人さんも相談しやすくなります。

本音を拾える関係が、早めのフォローにつながる

新人さんの不安は、最初から大きな問題として出てくるとは限りません。

  • 少し元気がない
  • 質問が減ってきた
  • 表情が硬くなっている
  • 自分から一人でいようとする
  • 「大丈夫です」と言うけれど、どこか無理をしているように見える

こうした小さな変化に気づけるかどうかは、定着を考えるうえでとても大切です。
ただ、その変化に気づくためには、新人さんが話しやすい関係が必要です。

「実は少ししんどいです」
「思っていた仕事と違って戸惑っています」
「誰に相談していいか分かりません」

こうした言葉が出てくる前に、本人の中ではすでに悩みが積み重なっていることもあります。

メンターを置く目的は、制度をつくることではなく、新人さんの小さな不安を早めに拾える関係をつくることだと思います。

ユノモでは、新人さんの受け入れを考えるとき、誰をメンターにするかだけでなく、
その人がどんな役割で関わるのか、評価者との距離はどうか、本人が話しやすい関係になりそうかも一緒に整理しています。

メンターは「誰でもいい」わけではありません。
新人さんが安心して本音を話せる相手をどう置くか。

そこを考えておくことが、入社後の不安や違和感を早めに受け止める土台になっていくのだと思います。