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新入社員を迎える前に、社内で話せていますか?

ご支援をさせていただく中で、新入社員を迎える時期によく
「まず何を教えればいいか…」と聞かれることがあります。

会社のルール、仕事の流れ、社会人としての基本、現場で必要な知識。
もちろん、どれも大切です。

ただ、お話を聞いていると、新入社員に何を伝えるかを考える前に、会社の中で一度そろえておきたいことがあると感じることがあります。

  • 採用した人の情報は、現場に共有されているか
  • 誰が何を伝えるのか
  • どんな順番で関わるのか
  • 会社として、どんなふうに育ってほしいと考えているのか

ここが曖昧なまま「教える内容」だけを決めても、受け入れる側が迷ってしまうことがあります。
そして、受け入れる側が迷っていると、その空気は新入社員にも伝わってしまいます。

「何を教えるか」の前に、
会社側でそろえておきたいこと

人事や採用担当の方が採用を進めて、実際の教育は現場の方が担う。
中小企業では、こうした流れになることも多くあります。

採用に関わった人は、
「こういう人に来てもらいました」
「この仕事をお願いしたいと思っています」
と、採用した背景や期待している役割を把握しています。

一方で、実際に新入社員が働くことになる現場では、
「新しい人が来るらしい」
「何をどこまで教えればいいんだろう」
「最初は誰が見ればいいんだろう」
と、受け入れのイメージがまだはっきりしていないこともあります。

採用する側も、現場で教える側も、それぞれの立場で一生懸命考えて動いています。
だから、どちらかが悪いという話ではありません。

ただ、採用した人の情報や、会社として期待していることが現場まで十分に共有されていないと、受け入れ方にズレが出てしまうことがあります。

採用担当の方は、面接で本人の雰囲気や経験、これから期待したいことを見ています。
経営者は、会社全体の人員計画や、将来の戦力としてどう育ってほしいかを考えています。

一方で現場の方は、日々の仕事を回しながら新入社員を受け入れます。

通常業務もありますし、納期やお客様対応、現場の段取りもあります。その中で新入社員に関わることになるので、現場側にも不安や迷いが出るのは自然なことです。

だからこそ、単に「新しい人が入ります」と伝えるだけではなく、
会社としてどう迎え、どう育てていきたいのかを共有しておくことが大切です。

新入社員を迎える前に、まず会社側で同じ前提を持つこと。
これは、教える内容を考える前に大切にしたい準備の一つです。

「できた」の基準が、
人によって違うこともある

もう一つ、受け入れ準備で見落とされやすいのが、教える人ごとの「OK基準」の違いです。

たとえば、「この机を掃除しておいて」とお願いしたとき。
ある人にとっての掃除は、机の上に置いてある物を片付けることかもしれません。
でも別の人にとっては、布巾で拭いて、ゴミがない状態まで整えることかもしれません。

そうすると、
Aさんには「それで大丈夫」と言われたのに、Bさんには「これでは足りない」と言われることもあります。

どちらも“その人にとって”は自然な感覚です。
けれど、新入社員からすると「どこまでやればOKなのか」が分からなくなってしまうことがあります。

仕事を長く続けている人ほど、自分の中で「これくらいできていればOK」という感覚を持っています。
その感覚は、経験の中で身についた大切なものです。
ただ、それが言葉になっていないと、新入社員には伝わりにくいことがあります。

教える側に悪気があるわけではありません。
でも新入社員にとっては、人によってOKの基準が違うことが、迷いや不安につながることがあります。

新入社員が迷うのは、
本人の理解力だけの問題ではない

新入社員が仕事を覚えるのに時間がかかると、
「なかなか覚えない」
「同じことを何度も聞いてくる」
「もう少し自分で考えてほしい」
と感じることがあるかもしれません。

でも、その前に一度確認しておきたいのが、「教える側の基準はそろっているか?」というところです。

  • 何をすれば完了なのか
  • どの状態になれば合格なのか
  • どこまでできたら次に進んでいいのか

ここが曖昧なままだと、新入社員は自分の判断で進めるしかありません。
けれど、入社したばかりの人にとって、その判断はとても難しいものです。

「これでいいと思ったのに、あとから違うと言われた」
「誰の言うことを基準にすればいいのか分からない」
「自分はちゃんとできていないのかもしれない」

こうした経験が続くと、仕事そのものを覚える前に、自信をなくしてしまうこともあります。

だからこそ、まずは教える側が、
どこまでできたらOKなのかを言葉にしておくことが大切だと感じています。

受け入れ方とOK基準をそろえることが、
安心して働き始める土台になる

新入社員の受け入れは、研修内容や教育プログラムだけで決まるものではありません。

  • どんな人が入るのか
  • 会社として何を期待しているのか
  • 最初に誰が関わるのか
  • 現場では何を伝えるのか
  • 困ったとき、誰がフォローするのか
  • どこまでできればOKなのか

こうしたことを会社の中でそろえておくことで、受け入れる側も動きやすくなります。

また、OKの基準をそろえることは、新入社員のためだけではありません。
教える側にとっても、安心して育成に関われる土台になります。

「この作業は、ここまでできれば次に進んでいい」
「この状態になっていれば、ひとまず合格」
「ここから先は、もう少し慣れてから伝える」

こうした合格ラインがあると、教える人によって伝え方が多少違っても、目指す状態はそろいやすくなります。

もちろん、すべての業務を最初から細かく決めるのは大変です。
現場には忙しさもありますし、長年の経験で動いている仕事ほど、言葉にするのが難しいこともあります。

それでも、まずは新入社員が最初に覚える業務から、「どこまでできればOKか」を確認してみるだけでも、育成のズレは見えやすくなります。

ユノモでは、研修内容を考える前にまず、
会社の中でどのように新入社員を迎えるのか、誰がどんな役割で関わるのかを一緒に整理しています。

また、仕事のやり方をすべてこちらで決めるのではなく、現場の方と一緒に、どこで新入社員が迷いやすいか、どこまでできたら次に進めるか、誰がどのタイミングでフォローするかを整理していきます。

新入社員に何を教えるかを考えることも大切です。
けれど、その前に、
会社側が同じ方向を向いて迎えられるかどうか、教える側の基準がある程度そろっているかどうか、
そこを整えていくことが、新入社員が安心して働き始めるための土台になっていくのだと思います。